伊達地方消防組合消防本部

「街の辻に建つゲートのような存在としての消防庁舎」と題した、2012年に行われた簡易プロポーザルでの提案を元に計画された広域消防署です。敷地は警察署、市役所、保健センター、各種病院、大泉駅など町の主要施設が近接し、県道「伊達霊山線」と市道「太田中六万坊線」の交差する「街の辻」と言える場所に位置します。この場所に「街の辻」にふさわしい、街に対して開かれ、堅牢で揺るがない強さで人々を受け容れるゲートのような消防庁舎を計画しました。 

「街の辻」には、伊達の神社や学校に古くから植えられている一本のケヤキの木を植え、それを中心にベンチのある小さな公園(辻公園)を設けました。建物の主要機能である階段の吹抜け空間、エントランス、会議室、そして緊急車両の空間を繋ぎ、街と消防署とを繋ぎました。

消防の機能は日頃の訓練に加え、消防隊が生活の一部を共有し合い人間関係を構築することで高まります。消防本部、消防署、指令センターの3つの機能を適切に分離しつつ、透明感のある建具、3箇所の縦動線を配置し視覚的、動線的に繋ぎ、従前の消防署にあった繋がりを維持できるようにしています。

  

所在地:福島県伊達市

用途:消防本部中央消防署庁舎・消防指令センター・訓練塔・車庫

建築面積:1666㎡

延床面積:2807㎡

竣工年:2016年

意匠設計:AUM構造設計と協働

構造設計:AUM構造設計