T house

 二方が道路、もう一方が歩道に囲まれた二等辺三角形の小さな土地に計画された住宅です。敷地の中央に5.46m角の建物を据え置き、建物周囲にできた三角形の空地に植栽をしました。道路が周辺区画に対し斜めに通っているせいか、まわりの住宅の多くも三角形の空地が残り、木々が植えられ通りは緑豊かです。

 建物内部は、中心から少しずらした位置に1.82角の螺旋階段を配置することで空間が分節されています。階段周りの空間は小さいですが、日本家屋の続き間のように空間が重なり、視線の先に三角形の空地に生えるアオダモやコナラがあり、さらにその先にある周辺住宅の緑につながります。その複雑さが、とても小さい家だけれど、豊ともいえる広がり、展開になっています。

  

建築面積:45㎡

延床面積:96㎡

写真:上部5枚 / Replan福島 2022 掲載

        佐々木育弥

   その他 / 早川真介